メイズ・オブ・オナー・タルト Maids of Honour Tart
 2016.06.19 Sun
written by なあな♪
イギリス伝統菓子、甘くしたカード(凝乳)を詰めたタルト。メイズ・オフ・オナーは直訳すれば「名誉ある女官(メイド)」となるが、チューダー朝の女王付き女官の役職名(※)。その起源は16世紀ヘンリー8世の時代に遡るとされている。男児の後継者を求めて6度も結婚を繰り返したヘンリー8世だが、二番目の妃であるアン・ブーリンとの結婚時代にこのお菓子が誕生したという伝説がある。アン・ブーリンのメイズ・オフ・オナーの一人が作ったお菓子が美味しかったためにレシピを鉄の箱に入れて秘蔵して王家専用とした、その女官を幽閉してお菓子だけ作らせ続けた、などいくつかバリエーションがある。ヘンリー8世は「暴君」というイメージの強い王なので、このような伝説が生まれたと考えられているそう。もともとはカードだけを詰めていたが、近年はジャム、レーズン、アーモンドなどを加えることが多い。
ロンドンにある「ニューエンズ」という老舗カフェが「オリジナルのレシピを伝えている」と主張している。大きく「ジ・オリジナル・メイズ・オブ・オナー」と店の正面に彫りこんでいるので、お菓子の名前が店名だと思っている人も少なくない。
16世紀のイギリス王室では贅沢品でも、現在では家庭で気軽にいただける素朴なお菓子。現代の庶民は昔の王侯以上の食生活を送ることができているということが実感できる一品と言えるだろう。
※メイズ・オブ・オナーは身の回りの世話をする召使(チェンバラー)ではないが、女王の直接の相手を務める「私室付きレディ」でもない、いわゆる「その他大勢の女官」。
160619メイズオフオナー
23:09:40 | アメリカ・イギリス菓子 | comments(0)
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