英国にもアイルランド本国にもあるが、事実上のアイルランド系米国料理。塩とスパイスに漬け込んだ牛塊肉とそれを使った料理のことで、日本でも缶詰のコンビーフとしてお馴染みの食材。日本や米国ではコーンといえばトウモロコシを思い浮かべるが(※)、ラテン語のコルヌ(角)が語源とされるコーンは、トウモロコシ伝来前は固い粒や穀物全般を指していた。岩塩や硝石の「粒」をまぶして漬け込んだので、コーンド・ビーフとなる。塩漬け牛肉自体は古くからあるが、現在のような「ベーコンやハムの上級代替品」という使われ方は、19世紀に缶詰が開発されてアイルランドの主要輸出商品となり、米国でアイルランド料理として広く認知されてから。
部位は牛肩バラ肉、外腿肉を使うことが多い。塩胡椒・スパイス&ハーブで1週間ほどマリネする。野菜と煮込んでポトフ風にしたり、炒めたり、サンドイッチの具にしたりする。特にキャベツと合わせるのが定番。ツナと同様に、缶詰とは全く異なる味と食感で、高級感がある。

