スコッチ・ブロス Scotch Broth
 2016.11.30 Wed
written by なあな♪
スコットランド風という名前のついた具沢山な麦粥。ブロスはブイヨンのこと。昔は雑麦粥にありあわせの野菜や豆を加えた程度の料理だったが、現代ではお肉(羊肉が基本)もしっかり入る出汁の効いた麦粥。「スコットランド風」というのは無論イングランドからの命名で、「雑麦に野菜の切れ端や豆くらいしか入っていない貧乏料理」と揶揄するニュアンスがあった(イングランド料理も大きな顔はできないと思うが)。麦は大麦又は燕麦(オートミール)、野菜は人参やルタバガ(アブラナ科の根菜)やパースニップ(白ニンジン、ドリトル先生シリーズのオランダボウフウ)やリーキが定番で、豆はレンズ豆やキマメが多い。ルタバガは蕪で、リーキは下仁田葱で代用できる。パースニップは芋のようなホクホクとした食感が特徴ですので、ジャガイモで代用した方が良いだろう(都内の一部スーパーで購入できます)。パースニップ写真(下)
現代風に具沢山になったスコッチ・ブロスでもかなり素朴な味わい。お好みでトマトやクリームやカレー風味を加えた方が美味しくいただけると思う。
161130スコッチブロス161130パースニップ
11:11:10 | イギリス料理 | comments(0)
コテージ・パイ Cottage Pie
 2015.08.16 Sun
written by なあな♪
英国料理、牛挽肉の煮込みにマッシュポテトを被せて焼いたもの(英国では、パイ皮を使わずにマッシュポテトで覆ったものでも「パイ」と呼ぶ)。現在は羊肉の煮込みにマッシュポテトを被せるとシェパーズ(=羊飼いの)・パイ、牛肉を使うとコテージ(=小作農の家)・パイと表記することが多いが、当初は肉の種類に関係なくコテージ・パイと呼ばれていた。
ジャガイモと肉が庶民にも広く食べられるようになった18世紀後半以降に食べられるようになった料理。肉料理の残りに、マッシュポテトを加えて嵩増ししたのが始まりで、肉の種類で区別するようになったのは19世紀末だそう。
牛挽肉と玉葱、好みで人参も加えて炒め、トマトピュレや赤ワインなどで味を調え、マッシュポテトとチェダーチーズで覆い、オーブンで焼いて出来上がり。材料からして日本人にも馴染み深い味わい。子供から大人まで安心して楽しめる美味しい英国料理。
150816コテージパイ
150816コテージパイ・カット
23:43:07 | イギリス料理 | comments(0)
ビーフ・コブラー Beef cobbler
 2015.08.15 Sat
written by なあな♪
米国発祥で英国に逆輸入された料理。初期のアメリカ植民地で、スエット・プディングを作ろうとしたものの、牛脂(スエット)が足りなかったために淡白な小麦の練り生地で包んで焼いたのが始まりとされている。コブラーの語源は中世英語のcobeler(木靴、木製椀の意味。味気ない料理というニュアンスなのだろう)と言われている。米国では果物等にクッキーやクラムなど油脂を入れない生地を乗せて焼くお菓子であることが多い。
一方英国では、お菓子の他に食事用のコブラーもある。第二次大戦中の食糧不足のおり、嵩増しのためにスコーンをたくさん加えてシチューを作るようになったのが広まったとか。現在のコブラーは、ハーブ入りのチーズ・スコーンを生のまま、ビーフシチューの上にぎっしりと蓋をするように並べてオーブンで焼く。お肉は牛肉の他、羊や鶏肉(マトン・コブラー、チキン・コブラー)でも構わない。
シチューに使った部分のスコーン生地が、まるですいとんのような食感で印象的。スコーンが多いと重くなるので数を減らして作った。本式ではないが、焼いたスコーンを出来上がったシチューに混ぜる方が美味しいと感じた。
150815ビーフ・コブラー
※参照レシピ:『イギリスの家庭料理』 砂古 玉緒 著
23:35:01 | イギリス料理 | comments(0)
コーンド・ビーフ Corned Beef
 2014.09.13 Sat
written by なあな♪
英国にもアイルランド本国にもあるが、事実上のアイルランド系米国料理。塩とスパイスに漬け込んだ牛塊肉とそれを使った料理のことで、日本でも缶詰のコンビーフとしてお馴染みの食材。日本や米国ではコーンといえばトウモロコシを思い浮かべるが(※)、ラテン語のコルヌ(角)が語源とされるコーンは、トウモロコシ伝来前は固い粒や穀物全般を指していた。岩塩や硝石の「粒」をまぶして漬け込んだので、コーンド・ビーフとなる。塩漬け牛肉自体は古くからあるが、現在のような「ベーコンやハムの上級代替品」という使われ方は、19世紀に缶詰が開発されてアイルランドの主要輸出商品となり、米国でアイルランド料理として広く認知されてから。
部位は牛肩バラ肉、外腿肉を使うことが多い。塩胡椒・スパイス&ハーブで1週間ほどマリネする。野菜と煮込んでポトフ風にしたり、炒めたり、サンドイッチの具にしたりする。特にキャベツと合わせるのが定番。ツナと同様に、缶詰とは全く異なる味と食感で、高級感がある。
140912コーンド・ビーフ
140913コーンドビーフ・サンド
01:52:19 | イギリス料理 | comments(0)
ボクスティ Boxty
 2014.09.08 Mon
written by なあな♪
アイルランド風のポテト・パンケーキ。アイルランドは伝統的に(といっても18世紀以降だが)ジャガイモ好きで知られており(※)様々なジャガイモ料理があるが、ボクスティはその中でも主食のような扱い。ジャガイモの半量は生のまま摩り下ろして、半量の茹でたジャガイモに加え、小麦粉、牛乳、バターを混ぜた生地を、グリドルと呼ばれる鉄板で獣脂をひいて焼きあげる。アイルランド語では「bacstai」、bocht(貧しい)が語源と言われる「貧者のパン」。
英国は各地にフル・ブレックファスト(豪華な朝食セット)があるが、アイリッシュ・ブレックファストの中でも特にボリューミーなことで知られている、アルスター・フライと呼ばれる朝食セットに欠かせない一品。アルスター・フライはボクスティの他に、たっぷりのベーコン・目玉焼きは2個・大きなソーセージを組み合わせるのが典型例。写真のものは、ハーフサイズ相当。さすがに朝だけではなく一日中注文可能のことが多いよう。同様のポテト・パンケーキは大陸欧州でも見られるが、生のジャガイモを加えることでモチモチとした食感が楽しめる。決してお腹を膨らませるだけが能ではない、お味の方も十分に満足できる一品。
※アイルランドのジャガイモ消費量は年々減少している。かつては世界3番目くらいが定位置だったが、供給量(kcal/日)は50年間で3割以上減り、2011年は世界16位(世界一のジャガイモ喰いは、かつてはポーランドで現在はベラルーシ)。
140908ボクスティ
01:35:02 | イギリス料理 | comments(0)
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